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◆盲導犬とは

盲導犬は、視覚に障害のある方の歩行を補助する大切なパートナーです。
道路交通法では、視覚に障害のある方が道路を歩くときは、白い杖(白杖)か、国家公安委員会指定の盲導犬育成施設が訓練した盲導犬を連れていることが定められています。盲導犬には、白または黄色のハーネス(盲導犬用の胴輪)をつけることになっています。盲導犬ユーザー(使用者)は、いつもこのハーネスを握って、盲導犬と共に街を歩き、盲導犬はユーザーの指示を受けながら目的地まで安全に誘導していきます。
盲導犬は、視覚に障害のある方の自立した生活の大きな支えとなっているのです。

盲導犬の歴史
盲導犬は、第1次世界大戦の頃にドイツで誕生しました。のちに、スイス、イタリア、フランスなどヨーロッパ各地に広まり、1929年には、アメリカにも本格的な盲導犬訓練学校が開設されました。
日本で初めて組織的な盲導犬訓練が始まったのは、1967年です。日本盲導犬協会が、厚生省(現在の厚生労働省)より、財団法人の許可を受けて、盲導犬訓練所を設立しました。その後各地に地方自治体の許可を受けた盲導犬訓練施設が発足し、現在では、全国で927頭(平成15年3月31日現在)の盲導犬が働いています。現在、日本全国に盲導犬を育成している団体は、9団体ありますが、1年間に育成・供給できる盲導犬の頭数は、合わせて、約130頭前後というのが現状です。

盲導犬は、ペットではありません。
残念なことに、今でも時々、盲導犬ユーザー(使用者)が、施設への入店や利用を断られることがあります。その理由の多くは、「ペットお断り」「他の客に迷惑」ということのようです。しかし、盲導犬はペットではありません。視覚障害者の体の一部と言ってもいいでしょう。
厚生省(現在の厚生労働省)は、盲導犬を連れた視覚障害者の旅館や飲食店の利用について、関係業者が配慮するように通達を出しています。また、運輸省も、旅館・ホテル、バス・タクシーなどの各業界団体に、盲導犬ユーザーを積極的に受け入れることを呼びかけています。
平成14年(2002年)5月、身体障害者補助犬法が成立し、盲導犬を含む、身体障害者補助犬を受け入れることが義務づけられました。身体障害者補助犬法は、平成14年(2002年)10月には、公共施設と公共交通機関へ施行され、平成15年(2003年)10月からは、民間施設へも施行されるようになります。
盲導犬は、排便で施設を汚したり、人にかみついて危害を加えることはありません。盲導犬ユーザーも、毛の抜け落ちを防ぐために服を着せたり、盲導犬用として、床に敷くマットを用意するなど、マナーに気を付けています。

◆盲導犬が生まれるまで

 ●子犬の誕生
盲導犬としての資質のある犬=繁殖犬を、ブリーディングウォーカーというボランティアのご家庭で預かっていただいています。繁殖計画に基づいて誕生した子犬が、盲導犬の候補犬となります。
生まれた子犬は、生後2ヶ月になるまで、親犬の母乳と愛情に包まれ、兄弟で遊び、時にはけんかをしながら、ブリーディングウォーカーのお宅で過ごします。
 ●パピーウォーカーのお宅へ
生後2ヶ月になると、子犬は、パピーウォーカーというボランティアをしてくださる一般のご家庭に行きます。約1年間、家族の一員として、愛情をたっぷり注いでもらいながら、パピーウォーカーのお宅で過ごします。愛情に包まれて育つことによって、人間と一緒にいることが大好きな、人間を深く信用することができる犬に成長していきます。
 ●訓練センターへ
1歳前後になるとパピーウォーカー宅から、訓練センターに戻ってきます。
盲導犬に向く性格かどうかの適性判断を経て、訓練が始まります。
訓練は、「できたらほめる」を大切に、犬が大好きな遊びも取り入れながら進みます。厳しい訓練というよりも、毎日コツコツと楽しい作業を通して、盲導犬として大切なことを覚えていきます。
まず、(1)基本訓練と(2)誘導訓練から始めます。
(1) 基本訓練
訓練士はDE(Dog Education= 犬の教育)と言っており、シット(座れ)、ダウン(伏せ)、カム(来い)、ヒール(左につけ)、ウェイト(待て)といった命令(コマンド)を遊びを交えて行います。DEは犬との信頼関係の構築や毎日の準備運動にもなり、訓練期間中は欠かさず行われる基本訓練です。
(2) 誘導訓練
住宅街に出てのタウンウォークです。入口、椅子、階段や段差の発見、障害物のよけ方から始まり、バスや地下鉄に乗ったり、エレベーターやエスカレーター訓練もします。
 ●視覚に障害のある方との共同訓練へ
約6ヶ月の訓練を経て、ついに、盲導犬を希望する視覚に障害のある方との共同訓練が始まります。共同訓練では、パートナーとなる視覚に障害のある方と生活を共にし、お互いの理解を深めた上で、安全に歩行する為の基本などを二人三脚(?)で学んでいきます。共同訓練には、大きく分けて2つの段階があります。
(1) 訓練センターでの入所型訓練(2〜3週間)
多くの場合、最初の2〜3週間は、盲導犬を希望する視覚に障害のある方が訓練センターに宿泊して、訓練を行います。視覚に障害のある方との対面から始まり、毎日のDE、タウンウォーク、目的地まで歩いていく訓練をします。
(2) 訪問型訓練(1〜2週間)
訓練センターでの基礎固めが終了すると、いよいよ盲導犬ユーザーの居住地に行って、毎日行く場所(会社やスーパーなど)に行く訓練をします。盲導犬ユーザーの日常生活を取り戻しながら、犬の生活リズムにも気を配ります。さまざまな要因が重なり合うため、状況によって、卒業が早まったり、遅くなったりするのも珍しくありません。
 ●卒業! 盲導犬の誕生です!
人と犬が、安全に、スムースに歩き、生活できるようになると、晴れて卒業です。
 ●定期的なフォローアップ訓練
人にとっても犬にとっても、新しいパートナーに慣れるには時間がかかるようです。双方にとってスムーズに「慣れ」てもらえるように、卒業後も、定期的に訓練士が盲導犬ユーザーを訪ね、フォローアップを行っています。卒業後数年経ったベテランのペアであっても、年に1度はフォローアップに伺います。

◆盲導犬の一生

盲導犬は、その誕生から、訓練、老後の生活まで、たくさんの愛情に包まれています。

 繁殖
海外から優秀な盲導犬候補の子犬を購入したり、盲導犬に向く性格の繁殖犬から計画的にブリーディングしています。
繁殖犬はブリーディングウォーカー宅で生活しています。
 子犬飼育
生後2ヶ月で、パピーウォーカー(子犬育成ボランティア)にあずけられ、愛情を込めて育てられ、家庭で生活するために必要な生活のルールやマナーを身につけます。
 盲導犬訓練
盲導犬に向く性格かどうか適性判断をした後、約6ヶ月にわたり、基本訓練や歩行訓練を行います。
 共同訓練
6ヶ月の訓練で、さまざまな訓練に合格した盲導犬は、盲導犬を希望する視覚障害者との4週間の合宿による共同訓練を行います。盲導犬は使用希望者をリーダーとして認め、使用希望者は盲導犬の扱い方、歩き方を習得します。
 卒業
6ヶ月の訓練と共同訓練が終了すると、盲導犬使用者(ユーザー)と一緒に卒業です。晴れて盲導犬デビューです。
 フォローアップ
共同訓練が終了すると、訓練士がユーザーの居住地に行き、現地訓練を数日間行います。
 盲導犬として活躍
約10歳までの8年間、盲導犬として活躍します。(定期的にフォローアップを行っています)
 引退後
引退後はリタイヤウォーカー(退役犬ボランティア)の家庭でのんびり過ごします。
亡くなると、火葬され、東京都府中市・慈恵院にある協会の墓地に葬られ、年1回関係者がお参りにいきます。

◆盲導犬についての注意

■ハーネスはユーザーと盲導犬との間で言葉や気持ちを交わすための大切なものです。絶対に触れないでください。

■ハーネスを着けているときは仕事中です。呼んだり、口笛を吹いたり、なでたりしないでください。

■盲導犬には、お菓子など食べ物を与えないでください。

■人に対して友好的な性格の犬を選んで訓練しているので、盲導犬は、吠えたり、かんだりすることはありません。犬が苦手な方でも、怖がらず、そっと見守ってください。


以上日本盲導犬協会ホームページより(なお、写真はすべてクイールです。)